ベーシック・インカム
特に若い世代の人には、特に今のうちから積極的に考えて欲しい事です。
昨日、スイスで「ベーシック・インカム」という制度の導入を巡っての国民投票が行われ、圧倒的多数で否決されたそうです。
これは、国が毎月、大人には30万円・子供には7万円を支給するというものです。
シッカリとした知識を持っていなければ、「これは冗談か?」という話しになってしまい、社会的混乱を怖れて、拒否という事になってしまうでしょう。
「ただで、毎月30万円ももらえる訳が無い。」と。
確かに、それを実施するためには、それを可能とするための社会システム的な下準備が必要になってくるとは思います。
しかし、ここでは、細かな議論は避けて、その本質だけを良く考えて見ましょう。
私たちは、機械文明の発達によって、様々な機器を手に入れることになってきました。新幹線・飛行機・スマホ・パソコン等々。
それによって、私たちの生活における競争(仕事)は、ますます激しいものになり、私たちは「幸せ・ゆとり」から、ますます遠ざかっているのです。
私たちは、富を握る資本家に労働を提供し、その激しい競争(仕事)による利益は、資本家のもとへ配当として流れ続けています。
このままの状態が続けば、今後、私たちは、人工知能・産業ロボットたちと、仕事を奪い合う事になっていくでしょう。
実際にそうした現実は既に始まっており、今後、あっという間に私たちの仕事は、人工知能・産業ロボットたちに奪い去られる事は明白です。
そして、その人工知能・産業ロボットを所有する資本家達が、完全に富を独占し、大衆はそれにひれ伏しておこぼれを頂戴する事になります。
考えても見てください。今のままの社会制度で進んでいけば、これは「当たり前」の事であり、何も疑うような事ではないのです。
この時に、社会システムとして、富の流れを資本家から国へと切り替え、その富を国民へ分配するという事は、とても理にかなった政策なのです。
ただ、人々はこれまでの、労働は美徳だとする支配されるものとして埋め込まれた常識を手放す事が出来ないために、そうした新しい流れを拒んでしまうのです。つまり、変化を怖れるあまり、3次元的なあり方を手放せないのです。
ただ、常識を肯定するのではなく、自分の頭でよく考え、変化を感じ取っていく事が大切なのです。
私は、何が何でも今すぐにベーシック・インカムを導入すべきだと言っている訳ではありません。
そんな事をすれば、即座に国は破綻してしまうでしょう。
私が言いたいのは、そうした新しい未来への方向性を持った上で、税制などの社会制度を考えて徐々にそうした方向へと舵を切っていく必要があるのだという事なのです。
それは、単に切り離されて独立した1つの制度ではないんですね。社会制度全体が、そうした価値観を肯定するものに基づいたものへと切り替わっていく中での、1つの大きな柱であるにすぎないのです。
社会が変わらないままに、1つの制度だけを強引に立ち上げても、それが倒れるのは時間の問題になってしまうのです。
変化は単発に起こるのではなく、広く深く起こる必要があり、特に若い人たちはそうした新しい発想について、議論を広めていく必要があるのです。