アセンションの時代

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なぜ経済は「成長しないといけない」のか?

金融や経済に興味の無い人は、あまりそういう疑問を持ったことが無いかも知れませんし、あるいは逆に、そういう人の方がそうした根本的な疑問を持つことがあるのかも知れません。

経済と言うのは、「成長率」というものがとても重要視されます。GDP(国内総生産)が前年より何%伸びるかと言う事がとても重要だとされ、伸び率がゼロなどという事になると大問題となり、成長率が少しでもマイナスに陥るようなことがあると、それは不況を超えた恐慌に突入する可能性が高いとも言えます。

でも、考えてみてください。なぜ、経済は成長しなければならないのでしょうか?

どうして、前年と同じ経済規模ではいけないのですか?

例えば、100人の村で100人が働いており、100の生産(売上・供給)があり、100の消費(購入・需要)があったとします。

翌年もやはり、同じだけの生産と消費があったとします。この時、経済成長率はゼロです。

何か問題がありますか?別に問題はないですよね。

では、私たちの社会では、なぜ、経済成長率がゼロであるととたんに不況という大問題が発生するのでしょうか?再び、先ほどの例でそれを考えて見ましょう。

100人の村で、99人が働いており、100の生産がありました。1人は働いていないのですが、不労所得(利息や地代収入)がある資産家であり、他の人々から1を受け取っていたのです。

この時、人々は資産家へ納める利息や地代を払うために、1の生産を余計に生み出す必要があったのです。

それでも、始めのうちはほぼ均衡は取れていたのですが、やがて資産家の資産である貸付金や土地は膨らみ、人々は2の生産分を資産家に払う必要が出て来ました。

これまで資産家がいない頃は、99人で99の生産を行えばバランスが取れており、経済成長に必要は必ずしも無かったのです。

しかし、そこに資産家が現れたことによって、99人で100の生産を行う必要が出てきて、資産家が資産を増やしたことで、99人で101の生産を行う必要が出てきたのです。

やがて、それは102の生産を必要とし、103の生産を必要としていきます。

「これが経済成長が必要な理由なのです。」

経済成長とは、金貸したちの「不労所得」を補うために私たちが労働を増やさなくてはいけないその割合なのです。

これは、「全体の本質」であり、細かな議論をすれば、技術革新によって値上げが・・・という事も考えられますが、そうすれば、これまでの製品は値下げされたり、技術革新があれば、逆に機械が労働を担うことになり、人々の負担は軽くなるはずなのです。

ところが、現実が逆方向へと向かうのは、この「本質」つまり、何千億円・何兆円、実際には恐らく遥かにそれを上回る規模の金貸したちの存在によるものなのです。

彼らは寝ているだけで、自分では使い切れない不労所得を得ており、その膨大な不労所得は年々増え続ける一方なのです。

かりに1000億円を手にしたら、もうそれを減らすことなど、よほどの生活をしていても不可能なのです。寝ていても入ってくる収入を使い切ることが出来ないのです。そのため、時間がたつに従い、資産は増え、収入もますます増えていきます。

そして、現在の経済情勢はというと、私たちに関係する所には借金ばかりが積みあがっています。私には借金が無いという人であっても、その人が支払う物やサービスの値段には、企業の負担している利息が原価として含まれているのです。

例えば、目の前のパソコンの値段には、原材料を採掘する企業の負担する利息、それを運搬する企業の負担利息、商社の負担利息、部品メーカーの負担利息、製造メーカーの負担利息、販売メーカーの負担利息、その過程で使われる電気や燃料等全ての原材料の至る所に、利息・地代等の不労所得による負担があるのです。

私たちがいかに支配されて来たか、理解していただけますでしょうか?

これらは、「金貸し達が構築した社会システム」なんですよ。善良な政治家や思想家が生み出した訳ではありません。



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